不安

死後事務とは 亡くなったあとの手続きと期限

ご家族が亡くなったあと、ご遺族には短い期間にたくさんの手続きが押し寄せます。葬儀の段取りをしながら、役所へ行き、年金を止め、保険証を返す。悲しむ時間より先に、書類の時間が来てしまう。。。

亡くなったあとに必要になる一連の事務を、まとめて死後事務と呼びます。難しい知識がいるものばかりではありません。ただ、期限が決められているものがあり、そこを知っているかどうかで負担がずいぶん変わります。

この記事では、誰が・何を・いつまでにするのかを時系列で整理します。ご家族だけで抱えなくてよい部分も、あわせてお伝えします。

なお大将は介護の事業者であって、法律の専門家ではありません。相続や税に関する個別の判断は、必ず弁護士・司法書士・税理士・行政書士などの専門職か、松山市の窓口にご相談ください。

施設や病院で亡くなったとき、最初に動くこと

まず、亡くなった直後の数日を整理します。

医師が死亡を確認すると、死亡診断書(事故など死因がはっきりしない場合は死体検案書)が交付されます。これは市区町村へ提出する死亡届と1枚の用紙で対になっていて、以後の手続きのほぼすべての起点になります。まずはこの1枚、と覚えておいてください。

施設や病院で亡くなった場合、ご家族への連絡、医師による死亡確認、ご遺体をお身内へお引き渡しするまでは、施設・病院側が行います。一方で、死亡届の提出や葬儀社の手配は、ご家族(またはご家族が依頼した葬儀社)が行うものです。実務上は、葬儀社が提出を代行することが多くあります。

松山市の場合、死亡届は「死亡の事実を知った日からかぞえて7日以内」に提出することとされています(国外で亡くなられた場合は、事実を知った日から3か月以内)。届出先は死亡地・故人の本籍地・届出人の所在地のいずれかの市区町村です。届出人になれるのは、同居の親族のほか、同居していない親族、家主や家屋管理人、後見人・保佐人・補助人・任意後見人などです。

死亡届を提出すると、火葬(埋葬)の許可証が交付されます。松山市では、平日の開庁時間内に窓口へ提出すれば、死亡届にもとづき埋・火葬許可証が発行されます。ここまでは葬儀の流れの中で進むことが多い。手が止まりやすいのは、葬儀が終わってからです。

死後の手続きを3段階に分けて見る

期限のある主な手続きを時期ごとに並べます。全部が全員に必要になるわけではありません。該当するものだけ拾ってください。

時期 手続き 期限 窓口・相談先
直後 死亡届の提出 死亡の事実を知った日から7日以内 市区町村(松山市は市民課ほか)
直後 埋・火葬許可の申請 火葬前(死亡届と同時) 同上
〜10日/14日 年金受給権者死亡届 厚生年金10日以内/国民年金14日以内(マイナンバー収録済みなら死亡届は原則不要。ただし未支給年金の請求は別途必要) 年金事務所・年金相談センター
〜14日 世帯主変更(住民異動届) 変更があった日から14日以内 松山市 市民課・支所等
2週間目安 国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失 すみやかに 松山市 おくやみ窓口ほか
2週間目安 介護保険の資格喪失・被保険者証の返却 すみやかに 松山市 介護保険課・支所等
数週間 金融機関・公共料金・携帯等の解約 各社の定めによる 各金融機関・事業者
3か月 相続放棄・限定承認の申述 自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内 家庭裁判所(故人の最後の住所地)/弁護士・司法書士
4か月 所得税の準確定申告 相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内 税務署/税理士
10か月 相続税の申告・納税 死亡したことを知った日の翌日から10か月以内 故人の住所地を所轄する税務署/税理士

期限が短いのは前半、判断が難しいのは後半、という構造になっています。

とくに気をつけたいのが相続放棄の3か月です。この3か月は「亡くなった日から」ではなく、自己のために相続の開始があったことを知ったときから数えます。故人に借入などの負債がある可能性があるときは、この期間内に判断する必要があります。財産の全体像がすぐに分からないこともありますので、早めに弁護士・司法書士へ相談することをおすすめします。ここは急いだほうがいい、と大将は思います。

年金は、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方であれば、死亡届(報告書)を原則として省略できるとされています。ただし、未支給年金(亡くなった月分までの、まだ受け取っていない年金)がある場合は、生計を同じくしていたご遺族からの請求が別途必要です。

介護保険は、保険料が資格喪失日(死亡日の翌日)の属する月を除いて月割りで再計算されます。納め過ぎがあれば法定相続人へ還付され、不足があれば納付書が届きます。年金からの天引き(特別徴収)だった場合は、年金事務所で未支給年金の手続きを済ませておくと還付がスムーズだと松山市は案内しています。

誰がやるのか — 相続人がいない場合を含めて

死後事務を実際に担うのは、多くの場合、同居のご家族や近い親族の方です。死亡届の届出人になれる範囲は先に挙げたとおり親族以外にも広がっていますが、その後の解約や相続の手続きは、相続人が行うのが基本になります。

難しくなるのは、お子さんがいない、きょうだいも高齢である、親族とは長く連絡が途絶えている、遠方で平日の窓口に何度も通えない、といった場合です。

こうした事情がある方は、元気なうちに備えておくと、あとの負担が変わります。ご本人が生前に、亡くなったあとの事務(葬儀・埋葬、行政への届出、公共料金や施設利用料の精算など)を第三者に委ねておく死後事務委任契約という選択肢もあります。どこまで委ねられるか、費用や預託金をどうするかは、契約の内容や依頼先によって異なります。必ず弁護士・司法書士・行政書士などの専門職に、ご自身の事情を伝えたうえで確認してください。

身寄りがない方の制度上の受け皿は、身寄りのない高齢者を支える制度で別に整理しています。

そして、ご家族が実務でいちばん手間取りやすいのが契約の解約です。銀行口座、クレジットカード、携帯電話、電気・ガス・水道、動画や音楽の月額サービス、SNSのアカウント。どこと契約していたのかを残された側が一から探すのは、なかなか骨が折れます。ここは生前の整理でかなり軽くできますので、デジタル遺品への備えもご覧ください。

死後事務は、家族で始める終活の進め方の最後のひとまとまりにあたります。どこから手をつけるかを考える材料にしていただければと思います。

松山では、どこで手続きするか

松山市には、死亡に伴う手続きをまとめて受け付ける**おくやみ窓口(福祉届出コーナー)**があります。あちこち回らずに済むので、ここは知っておいて損はありません。

項目 内容
場所 松山市役所 本館1階 総合窓口センター内(各支所でも一部対応)
受付時間 月〜金 8:30〜17:00(祝日・年末年始を除く)
扱う内容 国民健康保険・国民年金・高齢者医療・介護保険・高齢福祉・障がい福祉・児童福祉の各種届出を一括作成

死亡届そのものは、市民課(市役所本館1階)、支所(北条・中島を含む)、出口出張所で受け付けています。毎週木曜は午後7時まで時間延長があり、第2土曜も午前8時30分〜午後5時に受付があります。夜間・休日は、市役所本館地下1階、北条支所、中島支所の夜間休日窓口でお預かりする形です。

介護保険の被保険者証の返却は、支所・出張所または介護保険課(資格・賦課・収納担当 089-948-6919)が窓口です。世帯主変更の住民異動届は、本館1階市民課、各支所、出口出張所などで受け付けており、市民サービスセンターと郵送では受け付けていません。ここは間違えやすいので、ご注意ください。

手続きに時間がかかる場合があるため、松山市は「お時間にゆとりをもってお越しください」と案内しています。持ち物は状況によって変わります。事前に市の窓口かコールセンター(089-946-4894/8:00〜19:00)へ一本電話を入れておくと、二度手間になりません。

まとめ

死後事務は、量こそ多いものの、期限のあるものから順に片づければ形になる手続きです。一度に全部を見ようとすると、途方に暮れます。順番に、ひとつずつで大丈夫です。

  • 直後: 死亡届(7日以内)と火葬許可。葬儀社が代行することが多い
  • 2週間以内: 年金、世帯主変更、健康保険、介護保険。松山市はおくやみ窓口で一括受付
  • 数か月: 相続放棄(3か月)、準確定申告(4か月)、相続税(10か月)。ここは専門職へ

そして、後半の相続・税に関わる部分は、ご家族だけで判断しないこと。これが何より大切だと思います。相談する費用を惜しんで期限を過ぎてしまうほうが、あとの影響は大きくなります。

大将たちは介護の事業者ですので、ご入居・ご利用の間の暮らしを支える立場です。手続きそのものを代行することはできません。ただ、大将が長く大事にしてきた**「快」**という言葉は、こちらが良かれと思ってすることではなく、相手の立場に立って考えることから始まります。亡くなったあとに誰が何をするのかを元気なうちに話しておくことも、残される方への「快」のひとつではないかと感じています。

松山近郊で、グループホームやデイサービス、居宅介護のご利用を検討されている方は、まずは様子をご覧いただくところからで結構です。見学のご相談を承っています。


出典(一次情報)

※本記事は制度の概要をまとめたものです。個別の手続きの可否・要否については、松山市の窓口および各専門職にご確認ください。

まずは、見学にお越しください。

どの施設が合うのか、費用はどれくらいか。決めていない段階のご相談で結構です。お電話でもフォームでもお受けします。

見学のご相談 →

お電話 089-993-5737